新幹線と在来線は同一線路として扱うってルール①
旅客営業規則の基本中の基本である”新幹線と在来線は同一の線路として扱う”という乗車券ルール
本当に基礎の基礎なんですが、最近久しぶりに考察しようとしたら記憶があやふやになっている部分が結構あったので、復習がてらまとめました。
めちゃくちゃ長文です。
”新幹線と在来線を同一の線路として扱う”とはどういうことか
本当に簡単に説明すると、実際に新幹線の線路は在来線とは全く違うものが建設されているけれど、距離や運賃の計算をする際には平行に伸びている在来線と同じように扱いますよーということです。
みたいな感じで各新幹線に対応している在来線路線が設定されています。
詳細は以下のページで。
具体的に例を挙げると
東京から仙台までの乗車券は、東北新幹線経由で買っても東北本線経由で買っても全く同じキロ数・金額(351.8キロ/6050円)となります。
そして東北本線経由の乗車券でも東北新幹線に乗れるし、またその逆も然り。
新幹線と在来線を別線…つまりキロ数も金額も別とすると、新幹線と在来線を乗り継ぐ際や、在来線でゆっくり旅行するつもりだったけどやっぱり新幹線で…といった予定変更の際の発券・変更が煩雑になってしまうので、同線扱いにしたようです。
新宿から八王子まで、特急に乗っても普通列車に乗っても同運賃であるのと同じ考え方ですね。
これだけ。
いやこれだけだと思いきや、”別線扱い”の特例があることで、このルールはややこしく、そして奥深いものになっています。
続きを読む指定席券前受けの思い出
今よりもちょっとだけ昔の話
まだ北斗星やトワイライトエクスプレス、カシオペアなどがギリギリ生き残ってた5~6年ほど前
これらの寝台列車の定期運行が終わるということで、きっぷはもはやプレミアと化していました
2014年頃は北斗星なんかには、平日などには空きが出てたような気もしますが
廃止直前は当然キャンセルが出る確率も低く
残念ながら運休になったとしても、きっぷを払い戻しをせず記念に手元に取っておくという話も聞いたことがあります
では、そんなプレミアきっぷをどうやって手に入れるか。
JRの指定券は運行日1ヵ月前の午前10時から発売開始します
午前10時ぴったりにマルス端末から予約情報をシステムに送信し、その送信が早かった端末に座席が割り当てられます。早い者勝ちです
えきねっとや指定席券売機からは寝台券が予約できないので、みどりの窓口のマルス端末から午前10時ちょうどに予約情報を送信するしかありません
でも、10時ちょうどに窓口に駆け込んでも間に合うはずがなく
予め係員に「この列車の席が欲しい」と伝えておく必要があるわけです
購入希望者は駅の営業開始よりも前から駅の入り口前に列を作り、順番通りに予約希望を受け付けます
窓口の係員は10時の少し前から窓口のうち一つを閉鎖し、希望者から受け取った予約情報を端末に入力しておき、時報を聞きながら10時00分00秒に発信ボタンを押します
これがいわゆる”10時打ち”です
あとは、運次第。なんせ日本全国の窓口から100席もない座席をめがけて一斉に予約情報が飛ばされるわけで
よくシステムが落ちないもんだと感心しました
「あの駅は取れやすい」「国立にマルスシステムセンターがあるから、一番近い国立駅の窓口が取れやすい」なんて噂も流れてました
購入希望者は
”朝5時前から駅に並んで先頭を勝ち取る”
”運良く座席が取れる”
と2つの壁を越えてようやくプレミアきっぷにありつけます
禁煙・喫煙の区分指定や、これまた数量限定の食事券を取ろうとすればさらにハードルが上がります。
マルス端末上では、寝台券の予約と食事券の予約は全く別のメニューから入るため、”寝台券も食事券も”というのは相当な難易度です。
前受けは地獄。これに尽きる
さて、せっかくなので、そんな前受けで予約した寝台券を出しましょう
〔発券日〕2015年3月13日
〔発券箇所〕渋谷駅@1(MR32)
サンライズツインも一編成あたり4室しかないので、レアと言えばレア
さて、このきっぷの特徴は左上の東Cのゴム印でしょうか
このゴム印は、現金精算扱いで発券された乗車券類を後からクレジットカードで精算した際に押印されます
前受け予約の発券は、前述のように窓口をひとつ閉鎖して、そこの端末で行うことがほとんどであり
つまり購入者が目の前にいない状態で行うので、クレジットカードは引けません
最初に現金扱いで発券しておくしかないのです
当然この時、現金も受け取ってはいないので端末上では売上がマイナスとなっており、後ほど購入者が窓口に再訪した際に精算して帳尻を合わせます
万が一購入者が来なければ、営業終了時間までにこのきっぷを取り消しし、マイナス分をなかったことにします
上のきっぷの場合、窓口では最初に現金精算扱いで発券し(21,600円のマイナス)
私が10時以降に同じ窓口に向かい、クレジットカードで21,600円を支払うことでこのマイナスが帳消しになりました
クレジットカードで支払うと必ずR通番と呼ばれる番号が付与され、万が一払い戻しを行う際は、購入日とR通番を照合させて購入したカードに払い戻しを実行します
つまり、これはクレジットカード精算においては必要な押印なのです
最初からクレジットカードで支払っていれば、この印はシステムによって印字されます
前受けや、係員が誤って現金精算扱いで発券してしまった際などに使われるゴム印と言えましょう
さて、長々と書きましたが
現在、前受けを行っている駅はほとんどないのではないでしょうか
レアな寝台列車が消えたこと
窓口を一時的に閉鎖するなど駅にとってはリスクしかないこと
などの理由で2016年ごろには「前受けやめます」というポスターが次々と首都圏の駅に貼り出されました
GWや年末年始年始のきっぷは今でも前受けやってくれるのかなぁ・・・?
快速あいづ
E721系を魔改造した快速あいづに乗ってきた
ビバあいづどころかあいづライナーすら乗ったことがなく、磐越西線の指定席需要や座席の比較については何も言えないので割愛しましょう
若松にいる友人に久しぶりに会いに行った帰り
磐梯熱海まで車で送ってもらい、そこから郡山まで乗車した
本当は会津若松からすべての区間を乗る予定だったのだけど…
早戸付近で温泉に浸かっているうちに発車時刻に間に合わないことに気づき、どこかで追いつけないかと高速を飛ばしてもらっているうちに磐梯熱海まで来てしまったというわけだ
列車到着5分前に改札兼出札の窓口に駆け込み、「次の快速あいづの指定席ください」と頼む
すると駅員氏は「郡山まで15分ほどしかかからないし、指定券無くても乗れますけど…」と気遣ってくれた
そりゃそうでしょうね。でも僕はきっぷが欲しいんだよ
〔発券日〕2020年8月25日
〔発券箇所〕磐梯熱海駅E(ME4)
実際に乗ってみると、平日のラッシュ前のせいか指定席には誰もいない
むしろ休日やラッシュ時は本当に座席が売れてるのか?と心配になってしまうくらいだ
一般座席と指定席エリアは透明な仕切りで区切られていた。
当然ながら境界にはドアも検札もなく、車掌が巡回に来ない限りは
座ろうと思えばいくらでも無札で座れてしまうだろう
座席は優等列車のようなリクライニングシートで、ご丁寧にテーブルも付いている
なんとなく719系を思い出す座席配置だが、座り心地は最高だった
快速の指定席は区間の長さに関わらず料金は一定だし、郡山~会津若松間を乗り通す際にはかなり有益な選択肢ではないだろうか
郡山富田から乗ってきたばーちゃんや
一駅とはいえ指定席に座っちゃだめよ。指定券持ってないでしょう
【ヘンな駅名】ダイヤ改正2020
東日本大震災から9年
ついに常磐線がつながり、特急列車が仙台に舞い戻ってきました。
震災後に宮城に移ってきたワタシでは、昔から地元に住んでいる方に比べればその感動は小さいものかもしれません。
でも、ずっと待ってたんだ。仙台から特急に乗れる日が来るのを!
絶対ひたちの一番列車に乗ってやると決めていたんだ。
蓋を開けてみれば、有給休暇が取れずに仕事をしていたので乗れませんでした。ちゃんちゃん
クッソァ!せめてきっぷくらいは当日に発券してやらぁ!
ということで、今日は二枚です。
〔発券日〕2020年3月14日
〔発券箇所〕石巻駅VF1(MV50)
〔発券日〕2020年3月14日
〔発券箇所〕仙台駅乗継VF1(MV50)
うわぁ、これだけでめちゃくちゃ書くことあるぞぉ(大歓喜)
あしかがフラワーパーク、小田栄
これらは別に今日開業したわけではないんですが。どちらとも開業から今日までは、仮設状態っていうんですかね。本設置ではない駅でした。
どちらの駅にも共通してるのは、隣駅と同じ駅とみなして運賃の計算をするということ。フラワーパークは隣の富田駅、小田栄は隣の川崎新町駅として計算されます。
つまり、たとえば小田栄から乗っても川崎新町から乗ったことになるよ!小田栄で降りる場合は川崎新町で降りたことになるよ!
というわけです。
こういうことなので、そもそもマルスや券売機など駅務機器に小田栄やフラワーパークのデータが入ってなかったんですね。入れる必要が無い。
そうするとシステムを改修する必要もないので、コストを抑えられる・・・ということになるんだと思いますよ
駅はあるのにデータはない。幽霊みたいな駅ですね
今回のダイヤ改正ではこの二つの駅が本設置ということになり、初めてデータが登録されました。ということで今回発券したのです。
仙台乗継VF1
2枚目のきっぷの発券箇所。
今回、仙台に9年ぶりに特急が来るということで、5・6番線に新たな券売機が設置されました。
コレがソレです。
基本的にひたちの特急券を購入する為のものなので、やっぱりというか
”乗車券”のボタンが無い。
でも、どうしてもこの券売機のきっぷがほしい。どうせならゲートウェイ絡みの乗車券が・・・
そこで見つけた”えきねっと受け取り”ボタン。これいけんじゃね????
無事に受け取ることができました。
こういう時だけ頭がフル回転する。これだからオタクは・・・
”乗継”って記載が面白いですよね。”乗換”ならまだしも
長い駅名の印字方
あしかがフラワーパーク(11文字)
高輪ゲートウェイ(8文字)
やっぱり長い駅名が最近のトレンドなんだよね。きっぷ収集としては面白いからいいと思うよ
フラワーパークは長すぎるんで、印字は2行になるだろうとだいたい予想がついてました。
問題はゲートウェイだ。どうやって表記をするんだろう
と思ってたら、まさかのゲートウェイだけ縮小表示になりました。
あいの里教育大みたいな印字してんなお前な。
かみのやま温泉とか岩原スキー場前みたいに、一部だけ縦書き表記をちょっと期待していたよ・・・。
マルス券で発券できる最長駅名は”長者ヶ浜潮騒はまなす公園前”であるらしいことは有名ですが
あしかがフラワーパークはこれに続く長さなのではないでしょうかね。
鹿島サッカースタジアムも11文字でタイですが。
本日のダイヤ改正はきっぷという切り口からは楽しめました。
やっぱりひたちの一番列車に乗ってゲートウェイを見に行きたかったけど・・・
そのうち、仙台から品川まで乗り通ししような
陸前小野の窓口無くなるってよ
まじかよ。
まじだった。
窓口といっても、簡易委託駅なんでPOS端末による発券くらいしかできないのですが
POS発券すきすき侍にとってはショックなニュースかもしれません
〔発券日〕2019年5月26日
〔発券箇所〕陸前小野駅471(POS)
一年くらい前に発券してもらってました。
POS発券を意味する四角に囲まれた"東"の文字がちゃんと確認できますね。
POSって、マルスシステムに繋がなくてもいいきっぷのみ発券できるんだったっけ・・・?
どれくらいの長さまでの乗車券が発券できるんだろう・・・
あと券番の頭についている"A"の文字。なんだろコレ
陸前小野駅には小さな駅舎と売店があって、そこで乗車券類の発売もしてたわけです。
売店があるってことは、下手したら福田町とか東塩釜とかよりも使い勝手良かったんじゃないのかな。
自動改札なんか乗客にしてみたら別にあってもなくてもいい。
梅小路京都西駅と特定運賃
最後に更新したの一年前だって。
ブログ立ち上げて早々に飽きててワロタ
2019年3月に開業した新しい駅、梅小路京都西に行ってきました。
こういう駅に行けば、きっぷを買いたくなるもんです。
この日は、鉄道博物館に寄ってそのまま神戸空港から帰る予定だったもんで
梅小路京都西から三ノ宮までの乗車券を買いました。
梅小路京都西って駅名ながいわ
〔発券日〕2020年2月17日
〔発券箇所〕梅小路京都西駅MK31(MV50アシストマルス)
みどりの券売機プラスの導入が当たり前になってきましたねぇ・・・
もう出札窓口は時代に合わないのよ。
人いないし人件費切らないといけないし。
さてコレ、ぶっちゃけ〔梅小路→京都〕と〔京都→三ノ宮〕というふうに区切って買ったほうが安くなるんです。
梅小路~京都:150円(1.7キロ)
京都~三ノ宮:1100円(73.4キロ)
なんでか。京都~三ノ宮は特定運賃が設定されてるからなんですね。
旅客営業取扱基準規程第113条の2に記載されているルールです。
簡単に言えば、私鉄と競合してるから特別に安い運賃を設定するよってことです。
こういうのは東京、名古屋、京阪神地区にかなりの数が設定されています。
今回の乗車券のように、特定運賃区間とそれ以外の区間を区切らずに買うとこのルールから外れるので
①梅小路→三ノ宮(75.1キロ)
②キロ数の小数点以下は切り上げで76キロ
③本州3社内幹線普通運賃表より、71~80キロは1340円
となるわけです。
せっかくなのでJR西の普通運賃表のページ貼っときます。
他にもこういう特定運賃を設定している区間はクソほどあるので
(電車特定区間とか山手線・大阪環状線特別運賃とかも)
「ここ私鉄と競合してそうじゃね」
「なんかここらへんの区間安そうじゃね」
って思ったらとりあえずきっぷの区間を区切って検索してみると
ちょっと安くなることがあります。
でも普通の人はこんな面倒なこと考えないわ(結論)